訪問看護師は何年目から働ける?|経験年数・転職タイミング・向いている人を徹底解説

コラム
  1. 訪問看護師の経験年数に関するよくある誤解
    1. 「臨床経験5年以上必要」は本当か
    2. 実際の訪問看護師の平均年齢と経験年数
    3. 新卒・1〜2年目でも採用されるステーションが増えている理由
  2. 訪問看護師に転職するタイミングの考え方
    1. 経験年数よりも「何ができるか」が重要
    2. 病院勤務3年目が転職を考えやすい理由
    3. 5年目・10年目で転職する看護師の傾向
    4. 育休・産休後のキャリアチェンジとして選ぶケース
    5. ブランクありでも訪問看護に転職できるか
  3. 病院看護と訪問看護の違いを正直に比較する
    1. 勤務環境・一人での訪問という現実
    2. オンコール対応の実態
    3. 給与・休日・残業時間の違い
    4. 患者との関わり方の違い
    5. チーム医療から在宅チームへの変化
  4. 訪問看護に向いている看護師の特徴
    1. 自分で判断・行動できる人
    2. コミュニケーションを苦にしない人
    3. ルーティンより変化を楽しめる人
    4. 利用者の「生活」に関心がある人
    5. 病院の働き方に疑問を感じている人
  5. 訪問看護に向いていない看護師の特徴
    1. 一人での対応に強い不安を感じる人
    2. 指示を待つスタイルが好きな人
    3. 移動・体力的な負担が気になる人
  6. 訪問看護師として働くメリット
    1. 夜勤がない・少ない働き方
    2. 子育てと両立しやすい
    3. 利用者と深く長く関われるやりがい
    4. 看護師としての幅が広がる
    5. 自分のペースで動ける裁量の大きさ
  7. 訪問看護師として働くデメリット・注意点
    1. 一人訪問のプレッシャー
    2. オンコール対応の負担
    3. 移動の体力的負担
    4. 孤独感を感じやすい環境
  8. 未経験・経験が浅い状態で転職するときのポイント
    1. 研修・同行訪問体制が整っているステーションを選ぶ
    2. 面接で「不安なこと」を正直に伝えていい
    3. 入職後に学ぶ姿勢が最も重要
  9. 訪問看護ステーションを選ぶときに確認すること
    1. 教育・研修体制の充実度
    2. オンコールの頻度・負担感
    3. スタッフの人数・定着率
    4. ホームページで事前にわかること
  10. 転職後のキャリアパス
    1. 専門性を深める(精神科・小児・ターミナルなど)
    2. 管理者・所長へのキャリアアップ
    3. 将来的な独立・開業
  11. よくある質問
    1. 訪問看護師になるのに資格は看護師免許だけでいいですか?
    2. 准看護師でも訪問看護師になれますか?
    3. 理学療法士・作業療法士も訪問看護ステーションで働けますか?
    4. 転職前に見学はできますか?
  12. まとめ

訪問看護師の経験年数に関するよくある誤解

「臨床経験5年以上必要」は本当か

「訪問看護師になるには5年以上の臨床経験が必要」という話を聞いたことがある看護師は多いでしょう。しかしこれは、正確な情報ではありません。法令上、訪問看護師になるために必要な臨床経験年数は定められていません。つまり「5年以上必要」というのは法律や制度上の要件ではなく、あくまでもステーションごとの採用基準の一つに過ぎないのです。

この「5年以上」という数字がひとり歩きしてしまった背景には、訪問看護が一人で利用者宅を訪問して判断・対応する仕事であるという特性があります。病院のようにすぐそばに医師や先輩がいない環境で、一人で判断しなければならない場面が多いため、ある程度の経験があった方が安心という考え方から生まれたものです。

実態としては、経験年数3年以上を採用条件にしているステーションが多い一方で、近年は1〜2年目や新卒でも採用するステーションが急増しています。大切なのは経験年数という数字ではなく、「どんな経験をしてきたか」「どんな姿勢で仕事に向き合えるか」という点です。

実際の訪問看護師の平均年齢と経験年数

厚生労働省の調査(平成30年衛生行政報告例)によると、訪問看護師として働く看護師の年齢層は40代が最も多く全体の約39%を占めています。次いで50代が約28%、30代が約19%、60代が約10%、20代は約4%という構成です。病院看護師と比べると平均年齢は少し高い傾向にあります。

ただし近年は若い看護師が訪問看護を選ぶケースが増えており、20代・30代の割合は年々上昇しています。出産・育児をきっかけに夜勤のある病棟勤務から日勤中心の訪問看護に転職する看護師が多いこと、また訪問看護ステーションの数が増え採用競争が激しくなったことで、経験の浅い若手看護師を積極的に採用・育成するステーションが増えたことが背景にあります。

新卒・1〜2年目でも採用されるステーションが増えている理由

全国の訪問看護ステーション数は2024年時点で17,000か所を超えており、今後も増加が見込まれています。一方で訪問看護師の供給は需要に追いついておらず、多くのステーションが深刻な人材不足に直面しています。この状況が、採用基準の緩和・研修体制の充実・新卒・若手の積極採用という流れを生んでいます。

また「病院で長年経験を積んだ看護師ほど病院のやり方に慣れすぎており、在宅ならではの柔軟な対応が難しい」という現場の声も増えています。経験が少ない分、固定観念なく在宅看護のスタイルに馴染みやすいという観点から、若手・新卒を歓迎するステーションも出てきています。研修体制・同行訪問の仕組みが整っているステーションであれば、経験が浅くても十分に活躍できる環境が整っています。

訪問看護師に転職するタイミングの考え方

経験年数よりも「何ができるか」が重要

訪問看護師への転職を考えるとき、多くの看護師が「あと何年病院で経験を積めばいいだろう」と考えます。しかし実際の採用現場では、経験年数という数字よりも「どんな経験をしてきたか」「訪問看護でどんなことをしたいか」「一人での対応に必要な判断力・自律性があるか」という点が重視される傾向が強まっています。

バイタルサイン測定・点滴管理・褥瘡処置・服薬管理・患者・家族とのコミュニケーションなど、基本的な看護技術と対人スキルが身についていれば、3年未満でも十分に訪問看護の現場で活躍できます。逆に10年以上の病院経験があっても「在宅では使えない」という固定観念があると、訪問看護への適応が難しいケースもあります。

病院勤務3年目が転職を考えやすい理由

看護師の転職のタイミングとして最もよく聞かれるのが「3年目」です。病院勤務3年目は、基本的な看護技術が一通り身につき、ルーティンの業務にある程度自信が持てるようになる時期です。同時に「このまま病院で働き続けることへの疑問」「夜勤の体力的負担」「もっと患者と深く関わりたいという欲求」が芽生えやすい時期でもあります。

また、3年目は転職市場でも評価されやすい経験年数です。「3年以上の臨床経験」を採用条件にしているステーションが多いため、3年目以降は応募できる求人の幅が大きく広がります。「病院での基礎固めはできた。次のステップに進みたい」と感じ始めた3年目の看護師にとって、訪問看護への転職は非常にタイミングが良い選択です。

5年目・10年目で転職する看護師の傾向

5年目以降の転職では、専門性の深化やライフスタイルの変化が転職のきっかけになることが多いです。「急性期病棟で5年働いたが、もっと患者の生活全体に関わりたい」「特定の疾患(がん・神経難病など)の在宅ケアに携わりたい」「管理職候補として訪問看護ステーションに迎えてもらいたい」という動機が多く見られます。

10年目以上のベテラン看護師が訪問看護に転職するケースでは、「病院の組織体制や人間関係に疲れた」「体力的に夜勤が続けられなくなってきた」「自分の看護観を活かせる場所で働きたい」という理由が多い傾向があります。長年の経験は訪問看護の現場でも大きな強みになります。

育休・産休後のキャリアチェンジとして選ぶケース

出産・育児を機に、夜勤のある病棟勤務から訪問看護に転職するケースは非常に多く見られます。訪問看護は日勤中心・夜勤なし(またはオンコール対応で夜間に呼ばれることがある程度)の働き方が基本のため、子育てとの両立がしやすいという大きなメリットがあります。保育園のお迎え時間に合わせてシフトを組んでもらえるステーション・時短勤務が可能なステーションも多くあります。

「子どもが生まれてから夜勤が難しくなった。でも看護師の仕事はやめたくない」という看護師にとって、訪問看護は非常に魅力的な選択肢です。育休明けのタイミングで訪問看護への転職を決める看護師は年々増加しています。

ブランクありでも訪問看護に転職できるか

育児・介護・病気などでブランクがある看護師も、訪問看護への転職は十分可能です。ブランク期間中に「在宅で家族の介護をした経験」は、むしろ訪問看護の現場で大きな強みになります。利用者や家族の気持ちを当事者視点で理解できるからです。

ブランクがある場合は、看護技術の復習・研修制度が充実しているステーションを選ぶことが重要です。「ブランクOK」「再就職支援研修あり」という求人を積極的に探してみてください。

病院看護と訪問看護の違いを正直に比較する

勤務環境・一人での訪問という現実

病院勤務との最大の違いは「一人で利用者宅に訪問する」という点です。病院では医師・先輩看護師・他のスタッフがすぐそばにいる環境で、困ったことがあればすぐに相談できます。訪問看護では利用者の自宅に一人で訪問し、その場で判断・対応しなければならない場面が多くあります。

これを「不安」と感じる人もいますが、多くの訪問看護師は「一人で利用者と深く関われることがやりがい」と感じています。不安な場合でもスマートフォンで管理者や先輩に相談できる体制が整っているステーションがほとんどであり、「完全に孤立した状態で仕事をする」わけではありません。

オンコール対応の実態

訪問看護では、夜間・休日に利用者の状態変化があった際に対応する「オンコール」があるステーションが多いです。オンコールの頻度・負担感はステーションによって大きく異なります。月に数回程度のステーションもあれば、週に複数回になるステーションもあります。

「夜勤はないがオンコールがある」という訪問看護の働き方は、病棟勤務と比べてどちらが楽かは個人の価値観によります。決まった夜勤シフトよりも、いつ呼ばれるかわからないオンコールの方がストレスという人もいれば、夜間に自宅でスタンバイするだけで実際に呼ばれることは少ないという実態を知って安心する人もいます。転職前にオンコールの頻度・実態・手当について必ず確認することをおすすめします。

給与・休日・残業時間の違い

給与については、病院と訪問看護ステーションで大きな差はないことが多いですが、夜勤手当がなくなる分、夜勤ありの病棟勤務より年収が下がるケースがあります。一方でオンコール手当・訪問件数に応じたインセンティブが支給されるステーションでは、工夫次第で収入を増やせる可能性もあります。

休日については、多くの訪問看護ステーションが土日休みまたは週休2日制を基本としており、病棟の不規則なシフト勤務と比べて規則的な生活を送りやすい傾向があります。残業については、記録業務が多いステーションでは残業が発生することがありますが、電子カルテの導入により訪問先での入力が可能になったことで残業が減少しているステーションも増えています。

患者との関わり方の違い

病院では一度に複数の患者を担当し、入院から退院までの比較的短い期間を関わるスタイルが一般的です。訪問看護では同じ利用者を継続的に担当し、月単位・年単位で深く長く関わります。利用者の日常生活・家族関係・生活環境・価値観まで深く知ることができ、「その人の人生全体に寄り添う看護」を実践できることが訪問看護最大のやりがいの一つです。

「病院では患者一人ひとりとゆっくり話す時間がない」「退院後の生活が気になっても知る術がない」という不満を抱えている看護師にとって、訪問看護はその不満を解消できる場所です。

チーム医療から在宅チームへの変化

病院では医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・栄養士などが同じ建物内で連携するチーム医療が基本です。訪問看護では、主治医・ケアマネージャー・訪問介護士・薬剤師・リハビリ専門職など、異なる事業所に所属する専門職がチームを組みます。直接顔を合わせる機会は少なくなりますが、電話・FAX・医療連携ツールなどを通じて密に連携します。

訪問看護師はこのチームの中で情報共有の要として機能することが多く、コーディネーター的な役割を担います。チームをまとめる・調整するという業務が増えるため、コミュニケーション能力とリーダーシップが求められます。

訪問看護に向いている看護師の特徴

自分で判断・行動できる人

訪問看護の現場では、利用者宅に一人で訪問し、その場で状況を判断して適切に対応する力が求められます。「体調がいつもと違う。主治医に連絡すべきか、次回の訪問まで様子を見ていいか」「この傷は今すぐ処置が必要か、次の訪問で対応すれば問題ないか」など、自分で判断を下さなければならない場面が日常的にあります。

病院のように「医師や先輩に聞けばいい」という環境ではないため、自律的に行動できる人・自分の判断に責任を持てる人が訪問看護に向いています。判断に迷ったときはスマートフォンで管理者に相談できる環境がほとんどですが、基本的な判断力・自立心は不可欠です。

コミュニケーションを苦にしない人

訪問看護では利用者本人だけでなく、家族・主治医・ケアマネージャー・訪問介護士など、多くの人と関わります。利用者の自宅という「生活の場」に入り込むため、信頼関係を築くコミュニケーション能力が病院以上に重要です。

「たわいない日常会話が得意」「人の話を聴くことが好き」「様々な年代・背景を持つ人と自然に関われる」という人は訪問看護に向いています。コミュニケーションは看護技術と同様に、訪問看護師にとって中核的なスキルです。

ルーティンより変化を楽しめる人

訪問看護の1日は、複数の利用者宅を訪問して移動し続けるスタイルです。同じ利用者でも毎回状態が違い、季節・天気・家族の状況など様々な要因がケアに影響します。「毎日同じことの繰り返しに飽きてしまう」「変化があった方が楽しい」という人には訪問看護の働き方が向いています。

逆に「決まったことを確実にこなすことが得意」「変化よりも安定を好む」という人には、一人訪問の緊張感が大きなストレスになることがあります。

利用者の「生活」に関心がある人

病院での看護は「治療・回復」が中心ですが、訪問看護での看護は「生活を支える」ことが中心です。利用者の自宅の環境・食事の習慣・家族との関係性・趣味・日々の楽しみなど、その人の生活全体に関心を持ち、「その人らしい暮らしを支えたい」と思える人が訪問看護に向いています。

「患者の退院後の生活が気になる」「入院中だけでなく、生活している姿も見たい」という思いを持っている看護師は、訪問看護に転職してその思いを実現できる可能性が高いです。

病院の働き方に疑問を感じている人

夜勤の体力的負担・業務の多さと患者と関わる時間の少なさ・組織の中での人間関係のストレスなど、病院勤務に疲れや違和感を感じている看護師は多くいます。「もっと患者一人ひとりとゆっくり向き合いたい」「自分の看護観を大切にできる場所で働きたい」という思いが強くなってきたなら、訪問看護への転職を真剣に考えるタイミングかもしれません。

訪問看護に向いていない看護師の特徴

一人での対応に強い不安を感じる人

訪問看護は一人で利用者宅を訪問することが基本です。「急変したらどうしよう」「判断を誤ったらどうしよう」という不安が強く、一人でいることに大きなストレスを感じる人には訪問看護の働き方が合わない可能性があります。ただし研修体制・相談体制が整ったステーションを選び、経験を積むことで多くの場合この不安は解消されていきます。

指示を待つスタイルが好きな人

病院では医師の指示・先輩の指導のもとで動くことが多いですが、訪問看護ではある程度自分で判断して動くことが求められます。「指示されたことを確実にやることが得意で、自分で判断することが苦手」という人は、訪問看護の現場で戸惑いを感じることがあります。自律性・主体性を少しずつ身につけていく姿勢があれば克服できますが、転職前にこの点を自分と向き合って考えてみることが重要です。

移動・体力的な負担が気になる人

訪問看護は1日に複数の利用者宅を移動して訪問します。夏の猛暑・冬の寒さの中での移動・自転車や車での長距離移動・利用者宅での体位交換や介助など、体力を要する場面も少なくありません。膝や腰に問題がある方・体力的な負担を強く気にする方は、転職前に訪問の方法(車かバイクか自転車か)・1日の訪問件数・訪問エリアなどを確認することをおすすめします。

訪問看護師として働くメリット

夜勤がない・少ない働き方

訪問看護の最大のメリットの一つが、夜勤がない・または非常に少ない働き方です。多くの訪問看護ステーションは日勤のみ・土日休みを基本としており、規則的な生活リズムを保ちやすいことが大きな魅力です。長年の夜勤で体力的・精神的に消耗している看護師にとって、夜勤がなくなるだけで生活の質が大きく向上します。

子育てと両立しやすい

日勤中心・夜勤なし・時短勤務可能・フレキシブルなシフト対応など、子育て中の看護師に働きやすい環境が整っているステーションが多いです。「保育園のお迎えに合わせて17時には終わる」「子どもの急な発熱で休みやすい雰囲気がある」「育休復帰率が高い」というステーションも増えています。看護師として働き続けながら子育てもしっかりやりたいという方に、訪問看護は非常に向いています。

利用者と深く長く関われるやりがい

同じ利用者を継続的に担当し、月単位・年単位で関わり続ける訪問看護では、病院では得られない深い信頼関係を築くことができます。「先生が来てくれると安心する」「あなたがいてくれたから自宅で最期を迎えられた」という言葉を直接かけてもらえる体験は、訪問看護師ならではの大きなやりがいです。利用者の人生に深く寄り添えることが、訪問看護を続ける原動力になっている看護師は多くいます。

看護師としての幅が広がる

訪問看護では、小児から高齢者・急性期から慢性期・がん末期・精神疾患・難病など、非常に幅広い疾患・状態の利用者を担当します。病院では特定の科に限定されていたケアの範囲が、訪問看護では一気に広がります。「あらゆる疾患・状態に対応できる看護師になりたい」という向上心のある看護師にとって、訪問看護は最高の学習の場です。

自分のペースで動ける裁量の大きさ

病院のようにナースコールに追われることなく、一人の利用者と向き合う時間が確保されています。移動中の車の中でランチを食べたり、気持ちを切り替えてから次の訪問に向かったりと、ある程度自分のペースで1日を組み立てられる裁量の大きさも訪問看護の魅力の一つです。

訪問看護師として働くデメリット・注意点

一人訪問のプレッシャー

一人で利用者宅を訪問して対応することへのプレッシャーは、多くの訪問看護師が最初に感じる課題です。急変・予想外の事態・利用者や家族からのクレームなど、一人で対応しなければならない場面でのストレスは無視できません。研修体制・相談しやすい管理者の存在・スタッフ間のコミュニケーション環境が整っているステーションを選ぶことで、このプレッシャーは大幅に軽減できます。

オンコール対応の負担

夜間・休日のオンコール対応は、訪問看護特有の負担の一つです。「いつ電話が来るかわからない」という緊張感が休日でも続くことや、深夜に実際に呼ばれる可能性があることは、精神的な負担になることがあります。オンコールの頻度・実際の呼ばれる率・手当の金額はステーションによって大きく異なるため、転職前に必ず確認してください。

移動の体力的負担

1日に複数か所を移動しながら訪問するスタイルは、夏の暑さ・冬の寒さ・雨・雪などの天候の影響を受けやすく、体力的な負担になることがあります。車での移動の場合は運転疲労も蓄積します。自転車やバイクでの訪問が多い都市部では、季節によって特に過酷な環境になることがあります。

孤独感を感じやすい環境

一人で訪問し続ける仕事柄、スタッフ同士が集まって話す時間が少なく、孤独感を感じる看護師もいます。「職場の仲間と一緒に仕事をしている感覚が好き」「にぎやかな職場が合っている」という人には、訪問看護の孤独な時間がストレスになることがあります。スタッフ同士の交流・情報共有の機会を大切にしているステーションを選ぶことで、この課題は解消しやすくなります。

未経験・経験が浅い状態で転職するときのポイント

研修・同行訪問体制が整っているステーションを選ぶ

経験が浅い状態で訪問看護に転職する場合、最も重要なのが研修・同行訪問体制の充実度です。「一人立ちするまでに何ヶ月同行訪問があるか」「プリセプター・メンター制度があるか」「困ったときにすぐ相談できる体制があるか」を面接・見学時に必ず確認してください。これらが整っているステーションであれば、経験3年未満でも安心してスタートできます。

面接で「不安なこと」を正直に伝えていい

「一人で訪問することが不安です」「急変時の対応に自信がありません」という不安を面接で正直に伝えることは、決してマイナスではありません。むしろ自分の課題を認識した上で入職しようとしていることは、誠実さと自己認識の高さとして評価されます。不安を伝えることで、ステーション側から具体的なサポート内容を教えてもらえることも多く、入職後のギャップを事前に減らすことができます。

入職後に学ぶ姿勢が最も重要

訪問看護は、どれだけ病院での経験が豊富でも「初めてのケース」に出会い続ける仕事です。経験年数に関係なく「知らないことは学ぶ・わからないことは確認する・失敗から改善する」という姿勢が最も重要です。プライドを捨てて学び続けられる人が、訪問看護の現場で最も成長します。

訪問看護ステーションを選ぶときに確認すること

教育・研修体制の充実度

同行訪問の期間・プリセプター制度の有無・定期的な勉強会・外部研修への参加支援など、入職後の成長をサポートする体制が整っているかを確認します。特に経験が浅い場合は、この点が転職後の満足度を大きく左右します。ホームページや採用サイトに研修制度が詳しく記載されているステーションは、教育に力を入れている可能性が高いです。

オンコールの頻度・負担感

オンコールが月に何回程度あるか・実際に夜間に呼ばれる頻度はどのくらいか・オンコール手当はいくらかを具体的に確認します。「オンコールあり」という情報だけでは判断できないため、面接時に数字で確認することが重要です。

スタッフの人数・定着率

スタッフの人数が少ないステーションでは、一人あたりの訪問件数・オンコール頻度が高くなりやすく、負担が大きくなることがあります。また離職率が高いステーションは何らかの問題を抱えている可能性があります。「平均勤続年数は何年か」「離職率はどのくらいか」を聞いてみることで、職場環境の一端を知ることができます。

ホームページで事前にわかること

転職を検討しているステーションのホームページは、応募前に必ず確認しましょう。スタッフの顔写真・メッセージ・研修制度の説明・1日のスケジュール・オンコールの実態・給与の内訳などが充実しているホームページは、求職者への情報発信を大切にしているステーションの証拠です。逆にホームページがない・情報が少ないステーションは、入職前の情報収集が難しく、転職後に「思っていたのと違った」というリスクが高まります。

転職後のキャリアパス

専門性を深める(精神科・小児・ターミナルなど)

訪問看護で経験を積みながら、特定の領域の専門性を高めていくキャリアパスがあります。精神科訪問看護・小児在宅医療・がん末期のターミナルケア・神経難病のケアなど、興味のある分野を深めることで認定看護師・専門看護師の資格取得を目指すことも可能です。資格取得支援制度を持つステーションも増えており、スキルアップを応援する環境が整ってきています。

管理者・所長へのキャリアアップ

訪問看護の経験を積んだ後、管理者・所長としてステーションの運営に携わるキャリアパスもあります。管理者はスタッフの指導・育成・行政対応・営業活動など多岐にわたる役割を担いますが、「自分が理想とする訪問看護の形を実現できる」という大きなやりがいがあります。管理者の経験は、将来的な独立・開業の基盤にもなります。

将来的な独立・開業

訪問看護ステーションの管理者・所長として経験を積んだ後、自分自身で訪問看護ステーションを開業するという選択肢もあります。「地域に必要な訪問看護を自分の手で作りたい」「理想の看護が実践できる職場を作りたい」という志がある看護師にとって、訪問看護の世界はキャリアの終着点ではなく、看護師人生の新たなスタート地点でもあります。開業・経営については専門的なサポートが必要ですが、訪問看護ステーションの需要は今後も増え続けるため、開業市場としての環境は整っています。

よくある質問

訪問看護師になるのに資格は看護師免許だけでいいですか?

基本的には看護師免許(または保健師・助産師免許)があれば訪問看護師として働くことができます。特別な追加資格は必要ありません。ただし、多くのステーションでは普通自動車運転免許を必須としているため、運転免許がない場合は確認が必要です。都市部では自転車・バイクでの訪問が可能なステーションもあります。

准看護師でも訪問看護師になれますか?

准看護師でも訪問看護師として働くことができますが、一部のステーションでは正看護師のみ採用しているところがあります。また都道府県によって准看護師の訪問看護業務に制限がある場合があります。応募前に採用条件を必ず確認してください。

理学療法士・作業療法士も訪問看護ステーションで働けますか?

はい、働けます。訪問看護ステーションには理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が在籍してリハビリを提供することができます。ただし管理者になるためには看護師・保健師の資格が必要です。PT・OT・STが在籍するステーションは、リハビリニーズの高い利用者に対応できるという強みがあります。

転職前に見学はできますか?

多くの訪問看護ステーションでは、転職前の見学・体験訪問を受け付けています。実際に訪問に同行して在宅看護の現場を体験することで、「自分に合っているか」をリアルに確認することができます。面接を申し込む前に見学だけでも受け入れてくれるステーションも多いため、気になるステーションには気軽に問い合わせてみてください。

まとめ

訪問看護師になるために「何年以上の経験が必要」という法令上の決まりはありません。一般的には臨床経験3年以上が目安とされていますが、実際には1〜2年目や新卒でも採用するステーションは増えており、経験年数よりも「判断力・コミュニケーション能力・学ぶ姿勢」が重視される傾向があります。

病院勤務3年目・育休復帰のタイミング・夜勤が続けられなくなったとき・もっと患者と深く関わりたいと感じたとき——訪問看護への転職を考えるタイミングは人それぞれです。経験年数にとらわれず「今の自分に何ができるか」「訪問看護でどんな看護をしたいか」を考えることが、転職成功への第一歩です。

訪問看護ステーションへの転職を検討している看護師の方で、どんなステーションで働けばいいか迷っている方は、そのステーションのホームページを必ず確認してください。スタッフの顔・研修制度・働き方の実態が充実したホームページを持つステーションは、求職者への情報発信を大切にしている信頼できる事業者です。

訪問看護ステーションを運営されている方で、看護師採用に向けた採用サイト・ホームページの充実をお考えの方は、平安ラボにお気軽にご相談ください。月額9,800円〜・初期費用0円でご提供しています。
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